薬を飲んでいる男性

ヘルペスは感染者数が多い性病のひとつで、日本国内ではクラミジアに次いで多くの人が感染しています。ヘルペスを発症すると、性器や口唇の周辺に強い痛みを伴う水疱や潰瘍ができます。潰瘍の中心部分は膿で白く変色しているので、症状や見た目でヘルペスを見分けることが可能です。水疱は初めて病原体に感染した時だけでなく、体の免疫力が弱った時に何度も再発を繰り返す場合があります。食事の時に誤って唇を噛んで傷ができると、数日後にヘルペスの水疱を発症するケースも少なくありません。

ヘルペスの病原体は単純ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスで、大きく分けると1型と2型の2種類があります。1型は主に上半身(口唇など)に水疱を発症する場合が多く、2型は下半身(性器周辺)に発症するケースが多いです。ただし1型のウイルスが原因で性器に発症したり、2型のウイルスによって口唇に水疱ができることもあります。皮膚の表面にできる水疱は、治療をせずに放置しても1~3週間ほどで自然治癒します。免疫力が低下していると治癒に要する期間が長くなってしまい、その間は痛みに悩まされることになります。

単純ヘルペスウイルスは人類にとって非常にポピュラーな病原体で、世界保健機構(WHO)によると世界人口の大半が1型または2型のウイルスに感染していると見られています。ウイルスは普段は神経節に潜んでいて、免疫力が弱くなった際に活性化して皮膚の表面に水疱などを発症します。感染後はウイルスを死滅させることができないので、再発する恐れがあります。

初めて1型または2型の単純ヘルペスウイルスに感染しても、8~9割の人は症状が出ません。それでも一部の人はすぐに発症して、感染部位に強い痛みをともなう水疱や潰瘍などができます。稀に発熱・疲労感・股間のリンパ節の痛みなどのように、一時的に風邪に似た全身症状を発症するケースもあります。

性器または口唇ヘルペスが発症すると、治癒するまでの間はチクチクとした強い痛みに苦しめられることになります。病変部から多くのウイルスが排出されるので、他の人に触れるとうつしてしまう恐れがあります。放置しても自然に治癒するケースがほとんどですが、他の人にうつさないようにするためには短期間で治すことが大切です。

性器周辺や唇の皮膚にヘルペスの水疱や潰瘍ができてしまった場合は、体の免疫力を高めるようにすることが大切です。免疫力が回復すれば、早く症状が改善されて治癒するからです。睡眠やビタミン・ミネラル分が不足すると体の免疫力が低下するので、ヘルペスを発症したら生活習慣を改善するようにしましょう。甘い物を食べ過ぎたり食事のバランスが悪いとマグネシウムやビタミンB群が不足して免疫力が低下するので、免疫力を回復させるためにビタミン剤や栄養補助食品を活用する方法もあります。ヘルペスの水疱や潰瘍は免疫力が回復すれば短期間で治癒しますが、長期間にわたり治癒しなかったり再発する場合は治療薬を服用して対応します。

ヘルペスの水疱や潰瘍はウイルスが原因で起こるので、細菌の増殖を抑える抗菌薬を服用しても効果がありません。抗ウイルス薬と呼ばれるウイルスの増殖を抑える薬を使うことで、治癒までの期間を短くすることができます。治療薬には内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)の2種類があり、内服薬は皮膚科や性病科などを受診して処方箋を出してもらわないと入手することができません。抗ウイルス薬が配合された外用薬は一般向けのドラッグストアなどで販売されているので、誰でも自由に購入することができます。外用薬は効果が限定的で、高い治療効果を期待する場合は内服薬を服用するようにしましょう。